DTM!ボーカルのミックスや加工でよく使われる5つのエフェクトを紹介!

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こんにちは。関西を拠点に活動中のロックバンド、Zinnia Staticeのウラタテツです。

Twitter:@zinnia_tetsu

DTMでボーカルをミックスするとき、様々なエフェクトを使用して行われます。

エフェクトとは、エフェクターともよく呼ばれており、音に様々な効果や変化を与える役割があります。

しかし、エフェクトには沢山の種類があります。

そのため、ボーカルのミックスや加工をしたいけど、何を使っていいのかわからないかと思います。

この時に使用されるエフェクトは、

イコライザー、コンプレッサー、ディエッサー、リバーブ、ディレイ

この5つが、よく使われます。

この記事では、ボーカルのミックスや加工で使われる、エフェクトについて解説をします。

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イコライザー:声質の変化やノイズ除去の処理をするエフェクト

ボーカルのミックスや加工では、イコライザーの使用頻度は、非常に多いエフェクトの一つです。

イコライザーとは、特定の位置だけを狙って、周波数の音量を調整できるエフェクターです。

周波数とは、1秒間に音が空気中で、何回震えるかを示す数値のことです。

この数値が高いほどに、高い音が鳴ります。

逆に、数値が低いと、低い音が鳴ります。


このことから、周波数とは、音の高低を表す数値とも言えます。

イコライザーを使うことで、不要な周波数をカットしたり、増幅させることができます。

このエフェクターのは、主に3つの役割がありますので、それぞれに分けて解説を進めていきます。

不要な周波数を除去する

ボーカルなどの音には、不要な周波数が多く含まれています。

特に、ご自宅で録音した音声だと、部屋の反響音などが混じっている場合があります。

防音が完備された、レコーディングスタジオで録音した音声なら、不要な周波数が含まれることは少ないです。

しかし、ご自宅で録音された音声だと、どうしてもこの問題に直面します。

ここで、イコライザーの登場です。

前述の通り、このエフェクターには、不要な周波数を除去する役割があります。

どういう音かにもよりますが、高域の周波数を狙って、3dbほどゲインを下げましょう。

そうすれば、不要な周波数をカットすることができます。

声質を変化させる

イコライザーは不要な周波数のカットの他に、声質を変化させる役割もあります。

人間の歌声には、音階とは別の周波数が多く含まれています。

例えば、「ド」の音階を発声したとします。

この時、「ド」の音だけの周波数だけでなく、それよりも大きい帯域の周波数も含まれています。

この特徴を踏まえながら、イコライザーを使うと、声質を一気に変化させることが可能になります。

この時のポイントは、「ボーカリストがどのような声で歌っているか」を留意することです。

例えば、中域が目立つ太い声なら、イコライザーで中域の周波数を軽くブーストさせるとより太くすることができます。

高音域が綺麗に出ている歌声なら、高域の周波数を軽くブーストすれば、煌びやかな音に仕上げることができます。

ここで注意したいのが、無闇にブーストさせればいいという訳ではありません。

できるだけQコントロールを絞り、ゲインは大きても+3dbくらいまでを目安にあげればいいでしょう。

Qコントロールとは、帯域幅を狭くしたり大きくしたりする、パラメーターのことです。

ここで、画像の通りに帯域幅をできるだけ絞って、ゲインを調節するようにすればオーケー。

Qコントロールを絞らずにゲインをあげると、余計な周波数を拾ってしまい、返って声質が歪になってしまいます。

また、ゲインを上げすぎてしまうと、声質が変化しすぎてしまいます。

前述の通りゲインの数値は、+3dbくらいを目安に使うことがポイントです。

ノイズ除去の側面

イコライザーを使うことで、ノイズを除去することも可能です。

これは、ボーカル以外の楽器でも、ノイズ除去を目的として使うことができます。

パソコンの作曲ソフト上で録音された音声には、ノイズが混じっていることがあります。

ノイズとは、「サーーー」「ブーーー」などといった音のことです。

この音は、ノートパソコンを充電しながら、ボーカルを録音したときなどに起こることが多いです。

また、録音とは関係のない、電化製品が悪さをして発生している場合もあります。

本来なら、録音をするときは、ノイズが発生しないよう配慮して行うのが理想的です。

しかし、機材の関係で、どうしてもノイズが入ることもあるでしょう。

こういった時に、イコライザーを活用すれば、ノイズをある程度は除去することができます。

あまりにも大きなノイズは流石に無理がありますが、微かに聞こえる程度のものなら可能です。

ノイズにも周波数があるので、その数値を狙ってカットしてやれば除去できます。

しかし、ボーカルを録音するときは、ノイズを発生させないことを前提に行うのがベストであると覚えておいてください。

イコライザーの具体的な使い方については、下記の記事にて詳しく解説をしています。

お気になる方は、こちらも併せてお読みください。

・DTM!イコライザー(EQ)の効果的な使い方! 

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コンプレッサー:音量を調節するエフェクト

コンプレッサーも、ボーカルミックスでよく使われる、エフェクターの一つです。

コンプレッサーとは、「圧縮する」という意味があり、DTMでは音量を圧縮する役割があります。

音量を圧縮するということは、「大きくなりすぎた音を潰して音量を均一化する」ということを意味します。

ボーカルというパートは、どんな楽器よりも音量幅が広いパートと言えます。

録音しただけのボーカルは、一曲を通して聴いてみると、

音が急に大きくなったり、小さくなるということが多くあります。

例えば、A・Bメロは声が小さく、サビで大きくなるなどです。

このことを解消するために、コンプレッサーで音量を均一化させます。

また、ボーカルの音量バランスを調節し、歌声をオケに馴染ませる効果も期待できます。

ただ、あまりに強く圧縮をかけ過ぎると、音が潰れすぎてしまいます。

その結果、抑揚のない、平坦な歌声に仕上がってしまいます。

このことから、歌の特徴をしっかりと捉えながら、エフェクトをかける必要があります。

コンプレッサーの使い方については、下記の記事で詳しく解説をしています。

お気になる方は、こちらも併せてお読みください。

・DTM!コンプレッサーの役割や使い方とは? 

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ディエッサー:歯擦音(しさつおん)をコントロールするエフェクト

人間の歌声には、歯擦音(しさつおん)という、音が含まれています。

歯擦音(しさつおん)とは、発声した際に生じる、強い息漏れのことを言います。

サ行 「サ シ ス セ ソ」

ザ行 「ザ ジ ズ ゼ ゾ」

上記以外にも、「ち」「つ」「き」「く」といった言葉にも、歯擦音が含まれます。

今ここで、上記の単語を実際に発生してみてください。

息が多く漏れていることが、わかると思います。

日常会話などでは、このことを気にする人はいないでしょう。

しかし、ボーカルのミックスでは、気にしないといけません。

ボーカルを録音したということは、マイクを使用していることになります。

マイクという機材は、この歯擦音を思いっきり拾い上げます。

このため、耳障りの悪い、不自然な歌声になってしまいます。

この歯擦音をコントロールするエフェクトが、ディエッサーなのです。

このエフェクトを使用することで、4kHz〜15kHzあたりの周波数にコンプをかけ、歯擦音を抑えてくれます。

もちろん、ボーカリストによって歯擦音の発生する帯域は異なりますので、実際に使う場合はそれを考慮しなければなりません。

これは、マルチコンプやダイナミックイコライザーなどを使っても、同じような効果を出すことができると言われています。

しかし、なるべくなら専用のエフェクトである、ディエッサーを使う方が扱いやすいでしょう。

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空間系エフェクト:オケにボーカルを馴染ませる

イコライザー、コンプレッサー、ディエッサーでボーカルの声質や音量を調整しました。

最後に空間系エフェクトを使用し、ボーカルをオケに馴染ませましょう。

空間系エフェクトには、主にリバーブとディレイの2つがあります。

ボーカルのミックスでは、この2つを使用するのが一般的です。

それぞれについて、解説を進めます。

歌声に広がりをつけるリバーブ

リバーブとは、声などの音声に反響を加えて、広がりをつけるエフェクターです。

コンサートホールなどで手を叩いた時に、「パアアアァァァン」と音が鳴り響くような効果が現れます。

リバーブを使うことで、ボーカルに広がりを出し、オケに馴染ませることができます。

リバーブの使い方は、下記の記事にて詳しく解説をしています。

お気になる方は、こちらも併せてお読みください。

・DTM!リバーブの使い方!かけ方や設定のコツを伝授します! 

ボーカルの存在感を演出するディレイ

リバーブを使い、歌声に広がりをつけることはできても、オケにボーカルが負けてしまうということもよくあります。

ここで、ディレイを使えば、ボーカルの存在感を演出することができます。

ディレイとは、音に山びこの効果をつけ、奥行きをつけるエフェクターです。

ボーカルに使用する場合は、16分の1の短い間隔で、山びこの効果を出すように設定すればいいでしょう。

初めてのうちは、上の画像のような設定でオーケー!

この時のポイントは、オケをミュートしてボーカルだけを聴いたらディレイの効果がわかる。

オケと混ぜて聴いたら、ディレイの効果がわからない、という程度の設定になっていればオーケー!

これだけでも、ボーカルの存在感が大きく演出されます。

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まとめ

これまで解説してきたように、ボーカルのミックスでは、5つのエフェクターを使用します。

この他にも使うことのあるエフェクターも存在しますが、この5つを使えば、基本的なミックスを行うことが可能です。

使いこなすようになるまで、時間がかかると思いますが、使いこなせるよう頑張ってください!

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では、この記事は以上になります。

あなたのお役に立てたら幸いです!