こんにちは。関西を拠点に活動中のロックバンド・Zinnia Staticeのウラタテツです。
バンド・弾き語り・ボーカロイドなどで、歌がある曲を制作する時は、必ず作詞をしなければいけません。
しかし、作詞を始めようとした時に、上手く書けないという悩みに、直面する人も多いでしょう。
僕自身も作詞に初めて挑戦した時は、何から書いていいのかわからず、悩んでいました。
そこで僕はある時、作詞の正しい手順を知ったのです。
その手順を実践したことで、筆が一気に進むようになりました。
この記事では、作詞が上手くいかない人や、これから作詞を初めようとする初心者のあなたへ、歌詞の書き方を解説します!
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作詞の3つの手順
作詞を始めても、全く言葉が浮かばなかったり、途中で止まってしまうことがよくあります。
また、「作曲は出来ても作詞は出来ない」という方も、いるのではないでしょうか?
なぜ、作詞が上手く出来ないのでしょうか?
それは、手順に沿って、作詞を行っていないからです。
逆に言えば、手順に沿うことで、「作詞が上手く出来ない」、といった悩みを解消することが出来ます。
その手順は、全部で3つありますので、それぞれを解説していきます。
テーマを決める
何と言っても、作詞の出発地点は、テーマを決めることです。
テーマを決めずに、作詞を始めてしまうと、途中で歌詞の行き先が迷子になったりします。
テーマと聞くと、壮大なイメージをしがちになります。
しかし、最初から壮大な世界観を、表現する必要はありません。
それどころか、たった一つのキーワードを選ぶだけでいいのです!
ここで、いくつかテーマの例を挙げます。
・恋愛、友情、家族、別れ、旅立ち
・仕事、夢
・怒り、憎しみ、悲しみ
・空、海、街並み
ここで紹介したものはほんの一例で、テーマに使えるキーワードは、他にも沢山あります。
テーマを決めることで、歌詞の行く先が迷子になるの防ぐことが出来ます。
テーマが決まったら、次の手順です!
歌詞のテーマを深堀りしてジャンルを決める
テーマが決まったら、次はキーワードを深堀りして、ジャンルを決めましょう!
例えば、恋愛をテーマに、作詞を始めるとします。
恋愛というテーマを深堀りしてみると、様々な側面が見えてきます。
例えば恋愛には、次のような側面があります。
・両想い
・片想い
・失恋
・過去の恋人への未練
・禁断の恋
・同性愛
このように、一口に恋愛と言っても、様々な側面があります。
どういったジャンルの恋愛なのか?
これを決めることで、確実に作詞がしやすくなってきます!
ジャンルが決まったなら、次の手順です!
歌詞の主人公を設定する
テーマとジャンルが決まったなら、歌詞の主人公を設定しましょう。
ここで、主人公の設定の、例を4つ挙げてみます。
・27歳の売れないバンドマン
・昼は会社員として働いている
・新卒OLの彼女と同棲中
・趣味はドライブ
この例を主体に、実際に僕がここで作詞をしてみました。ご覧になってください。
”俺は売れないバンドマン 会社では怒られてばかり
新天地で頑張る君は ベッドの上で寝息を立ててる
たまには二人で車走らせ 知らない街へ行きたい”
うだつの上がらない、男の物語が出来上がりました(笑)
このように、主人公の人物像や設定を決めるだけで、歌詞のイメージが湧きやすくなります。
すると聴き手にも
「うだつの上がらない男だなあ」
「早く彼女と結婚しろよ」
「自分のことを歌われてるみたいだ」
このように、歌詞の内容を伝えやすくなり、共感もしてもらえるようになります。
主人公や登場人物の設定が曖昧なままだと、何を伝えたいのか、わからなくなってしまいます。
作詞を進める場合、このように主人公の設定を決めるが大事です。
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歌詞の構成と展開を決める
次は、歌詞の構成と、展開の決め方を解説します。
一般的な音楽は
①イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ
②インター(間奏)→Aメロ→Bメロ→サビ
③インター(ギターソロなど)→サビ→アウトロ
このような構成のものが、多いです。
歌詞を当てはめる箇所は、Aメロ・Bメロ・サビの3つのパートになります。
そして、Aメロ・Bメロ・サビには、それぞれの役割があります。
歌詞は、その役割に沿って書くことが、一番望ましいです。
例を挙げながら、3つのパートでの歌詞の書き方を解説します。
Aメロの作詞
Aメロは、曲の入り口となるパートです。
入り口なので、Aメロでは、歌詞のあらすじを書くのがグッド!
ここで下記の設定を元に、実際に作詞を行ってみました。
テーマ = 恋愛
ジャンル = 同棲中の彼女がいる
主人公 = アラサーの社会人バンドマン
”代わり映えのない午前7時 君は朝食を作っていた
なぜかありがとうが言えず ただ貪るだけで
世間の価値観に合わせられず 僕は違和感を抱えながら
カバンを背負い 靴紐を結び 扉を開いた”
主人公の男の、鬱っ気のある朝を表現してみました。
また、同棲している彼女に対して、素直にありがとうが言えない様も、ダメ男っぷりが冴え渡ります(笑)
このようにAメロでは、主人公の人物像や目線を強調して書くことで、歌詞の視点がハッキリとしてきます。
Bメロの作詞
続いて、Bメロの書き方です。
Bメロとは、Aメロとサビをつなぐ、パイプのような役割を持っています。
ここでは、主人公の背景や情景を強調し、感情が高ぶるような歌詞を書くようにすればいいでしょう。
ここで、先ほど作詞した、Aメロの続きを書いてみます。
”日が沈み始めた夕暮れ時 街ゆく人は僕を横切る
家についても 君を抱きしめられなくて
ギター背負ったとき 寂しげに君が笑った”
仕事が終わった夕暮れ時や、彼女への態度を変えられない葛藤が、思い浮かぶようになりました。
単に主人公の葛藤を描くだけでなく、その背景や情景を織り交ぜることで、世界観をより切なく演出するすることが出来ます。
このように歌詞を書くことで、サビへ続く物語の展開を、加速させることが出来ます。
サビの作詞
サビの歌詞は、最も伝えたいことを、表現する役割があります。
つまりサビには、「曲の顔」としての、役割があるということです。
ここでは、感情を剥き出しにして、ストレートに表現しましょう!
では、先ほど作詞した、Bメロの続きを書いてみます。
”君の手を初めて握ったとき
ギターを初めて弾いたとき
あの頃の感覚はもう霞んでいる
「ごめんね」も「ありがとう」も言えずに
君を困らせる僕だから
今日は君の話を聴きたいな”
主人公の感情を、ストレートに表現してみました。
昔のような新鮮さが薄れて、彼女との接し方も雑に。
でも、このままではいけないと思ったようですね。
その証拠に、彼女の話を聴こうとしてます。
このように、サビは自分が一番伝えたいと思うことを、ストレートに表現しましょう。
そうすることで、聴き手の印象に残り、胸を打つような歌詞を描けるようになります。
1番、2番の書き分けかた
音楽には、1番、2番という構成で作られているものが多いです。
あなたが作詞をするときも、楽曲の構成が、このようになっているかと思われます。
その場合、1番と2番とでは、別の内容を書かなければいけません。
では、どのようにして書けばいいのでしょうか?
例えば
1番では、過去のことを書き
2番では、現在のことを書く
という、時間軸を分けて書く方法があります。
また、別の例を挙げると
1番では現在を書き
2番では未来を書く
という、方法もあります。
曲によっては、
1番は彼氏の目線
2番は彼女の目線
という、歌詞の目線を書き分ける方法もあります。
是非、この方法も試してみてください。
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メロディに対して歌詞の字数を合わせる
上記で解説した通りに歌詞を書けたとしても、メロディに乗せることが出来なければ、意味がありません。
あなたが実際に、手順に沿って歌詞を書いてみて、実際に歌ってみたら
・歌詞が足りない
・歌詞が多すぎて歌い切れない
などのことが、起こることがあります。
このことから、作詞をする際は、メロディに対して歌詞の字数を揃えることが、重要になってきます。
歌詞が多い場合は、歌詞の内容を省き
歌詞が足りない場合は、加筆をするようにしましょう。
このとき、歌詞の内容の意味が変わらないように、意識して修正を行いましょう!
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作詞の最大の4つのテクニックを紹介!
この記事で紹介した手順の通りに、作詞を行っても問題はありません。
しかし、作詞には聴き手の印象を、さらに深く出来る4つのテクニックがあります。
それぞれを紹介します。
比喩表現
比喩という言葉を、Googleで検索してみました。すると
物事の説明や描写に、ある共通点に着目した他の物事を借りて表現すること。
と記載されていました。
実は、この記事で僕が実際に作詞したものの中に、このテクニックを使用したものがあります。それを解説します。
“新天地で頑張る君は ベッドの上で寝息を立ててる”
という一節を作詞しました。
この詞のテーマ・ジャンル・主人公は
テーマ = 恋愛
ジャンル = 両想いで同棲中の新卒OLの彼女がいる
主人公 = 売れない社会人バンドマン
でした。
ここの一節に、「新天地で頑張る君」という部分があります。
これは、「新卒社会人としての生活」をスタートさせたばかり、ということがイメージ出来ます。
このことをストレートに、「新卒OLの君」とは表現せず、
「新天地で頑張る君」という言葉で、比喩してみました。
同じ意味でも、後者の方が少しオシャレに感じませんか?
このテクニックを使うことで、聴き手にとって、胸にグッとくる表現をすることが出来ます。
是非、実践してみてください。
韻を踏む
歌詞の頭、もしくは、歌詞の最後の言葉の母音を揃えることを、韻を踏むと言います。
また、同じ言葉を複数回繰り返すことも、韻を踏むことに該当します。
日本の音楽では、ポピュラーソングのみならず、童謡でもこのテクニックが使われています。
例えば、童謡の「春が来た」の歌詞は
”春が来た 春が来た どこに来た
山に来た 里に来た 野にも来た”
という内容です。
この曲では、歌詞の最後の母音が、a(あ)で揃えています。
更に同じ言葉を、複数回繰り返しているのもわかります。
童謡でも、韻を踏んでいたなんて、意外ですね。
僕も、この記事を書くまで、気づいてなかったです(笑)
またこのような歌詞もあります。
“遠く 遠く 遠くまで 響け 響け 僕の声”
これは、僕が過去にやっていたバンドの、オリジナル曲の歌詞です(笑)
この歌詞でも、言葉を複数回繰り返し、最後の母音をe(え)で終わらせています。
このように韻を踏むことで、曲のキャッチーさを際立たせることが出来ます。
是非、実践してみてください。
倒置法
倒置法とは、文章をわざと逆にする方法です。
小説などで使われることが多いですが、作詞にも応用できます。
これにより、歌詞のインパクトを大きくすることが出来ます。
例を挙げてみます。
”日差しが強くて暑いな”
これを倒置法で表現してみると
“暑いな 日差しが強いせいだ”
このようになります。
文章としては、前者の方が自然かもしれません。
しかし、倒置法を用いることで、文章にインパクトを持たせることが出来ます。
倒置法を用いる時は、「結果を先に言って、説明を後でする」ことがポイントになります。
こちらも是非、実践してみてください。
反復法
同じ言葉を何度も繰り返す、作詞テクニックです。
このテクニックを使うことで、一度曲を聴いてもらうだけで、聴き手に覚えてもらうことが可能になります。
例えば、THE BLUE HEARTSのリンダリンダという曲が、その代表でしょう。
聴いたことのない方は、下記の動画を再生してみてください。
1:12からがサビになりますが、この曲では、リンダリンダとしか歌っていません。
具体的な意味がわからなくても、同じ言葉を何回も聴くことで、非常に強い印象があります。
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まとめ
では、この記事も終盤になりますので、これまでの内容をまとめます。
◇歌詞のテーマを決める
◇テーマを深堀りする
◇歌詞の主人公を設定する
◇Aメロ、Bメロ、サビそれぞれの役割に沿って作詞を行う
◇メロディに対して字数を合わせる
◇比喩表現、韻を踏む、倒置法、反復法の4つのテクニックを駆使する
この記事をしっかり読み、作詞を実践することで、行き詰ることは少なくなるでしょう。
更に、このやり方で作詞を行っていくうちに、自由度も大きくなってきます。
是非とも実践してみてくださいね!
ちなみに、この記事で例として作詞をしてみましたが、僕の実体験ではありませんので(笑)
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では、この記事はここまでです。
あなたのお役に立てたのなら、幸いです!