こんにちは。関西を拠点に活動中のロックバンド、Zinnia Staticeのウラタテツです。
バンド活動をされている方の中で、オリジナル曲を作ってライブで演奏したい!
そう考えている方は、非常に多いです。
しかし、バンドのオリジナル曲の作り方がわからず、上手くいかないという方も多いかと思います。
この記事では、バンドのメインソングライターである僕が、オリジナル曲の作曲方法を解説していきます!
デモ音源を制作する
バンドでオリジナル曲を演奏するにあたり、最初にやるべきことがあります。
それは、デモ音源を制作することです。
デモ音源とは、「制作途上の音源」のことを指します。
なぜ、デモ音源を作らなければ、ならないのでしょうか?
それは、バンドメンバーに効率よく、練習をしてもらうためです。
デモ音源があることで、各メンバーに予め、練習してもらうことが可能になります。
これにより、スタジオでの、音合わせがスムーズになるのです。
よって、デモ音源を作らないことには、バンドでの作曲を成立させることは、難しいでしょう。
では、どのように制作すればいいのでしょうか?
デモ音源の作り方は、大変に多くのパターンが存在します。
その中でも、特に代表的な3つのパターンを紹介します。
パターン① コード進行を先に決めるコード作曲
作曲者がコード進行を先に作る手法です。
主にギターや鍵盤でコード進行を作り、そこから歌のメロディを作り出していきます。
コード作曲のメリットは、伴奏が作りやすく、歌のメロディが浮かびやすい点にあると言えます。
また、コピーやカバー歴が長いバンドなら、好きなコード進行のパターンが、体で覚えていることもあるでしょう。
このことに覚えがあるなら、コード進行も組み立てやすく、伴奏やメロディが浮かびやすくなってきます。
また、コード作曲をバンドで採用する場合の、ポイントが2点あります。
それぞれを解説します。
一曲丸ごとのコード進行を作る
一つ目のポイントは、一曲丸ごとのコード進行を作ることです。
これは、後に紹介する他の手法でも、同じことが言えます。
悪い例を挙げると
・1番しかできていない
・サビしか出来ていない
・リズムを作り込めていない
などがよくあります。
このような状態で、バンドメンバーに打診すると、困惑させてしまう恐れがあります。
また、作曲の制作スピードを遅くしてしまう、原因となります。
「1番だけ作って、あとはみんなで話し合おう!」
そう考えているなら、その思考は今すぐやめにして、一曲分を作ることを心がけてください。
こうすることで、制作のスピードが、一気に早くなります。
必ず一曲分のコード進行を作ってから、バンドメンバーに打診するようにしてください。
コード進行を演奏している音源と、コード表の2つを用意する
コード表と音源を用意することは、バンドの曲を作るにあたり、大変に有効なやり方になります。
作曲を担当していないメンバーの立場からすると、音源とコード表を用意してもらうことで、練習がしやすくなってきます。
コード表は紙に書くか、パソコンやスマホアプリで、制作すればいいでしょう。
音源の作り方は、スマートフォンなどの録音アプリで、作成すればオーケーです!
また、音源は鼻歌でも構いませんので、歌を録音してください。
弾き語り音源を、作るような感覚で行いましょう!
コード作曲の詳しい方法については、こちらの記事で解説しています。
気になる方は、こちらも併せて、お読みください。
パターン② 歌詞から作る詞先作曲
作詞が出来る(やってみたい)メンバーに、最初に歌詞を書いてもらい、それを元にコード進行やメロディをつけていく手法です。
代表者が一人で、作詞と作曲を行ってもオーケー!
詞先作曲の方が、メロディが浮かびやすい場合もあります。
この手法を採用するとき、コード作曲と同様、コード進行の表を用意しましょい!
また、歌詞カードも一緒に、メンバーに渡せれたらグッドです!
この手法も是非、試してみてください。
パターン③ DTMでデモ音源を作成する
ここまで、2つの作曲法を紹介してきましたが、僕が最もオススメする方法は、DTMでデモ音源を作成する方法です。
DTMとは、デスクトップミュージックの略称。
パソコンで打ち込みや録音を行い、楽曲を制作する手法のことを言います。
DTMなら、ドラム、ベース、ギターなどを、打ち込みで作ることが可能になります。
このことにより、予めバンドサウンドを一人で作ることが出来るのです。
また、DTMでの作曲が、バンドのオリジナル曲を作るのに、最も適しているとも言われています。
その理由は、次の項目で解説します。
DTMでの作曲が最も効率がいい理由とメリット
バンドのオリジナル曲の制作には、DTMを本当に強くオススメします。
なぜなら、コード作曲や詞先作曲で制作したデモ音源と違い、最初からバンドらしいサウンドを用意することが出来るからです。
近年ではプロ・アマ問わず、バンドマンを含む多くのミュージシャンが、デモ音源や楽曲をDTMで制作されています。
なぜなら、どの手法よりも最も効率よく、オリジナル曲の演奏を行えるメリットが、強く作用するからです。
僕は長年、DTMでバンドのデモ音源や楽曲を制作していますが、多くのメリットを感じています。
最初は扱うのに時間がかかりましたが、ある程度使い方を覚えた今では、DTM無しでは作曲が出来ない程になりました。
制作の効率だけでなく、スタジオでの練習も、スムーズに進めることが出来るようになりました。本当にメリットしか感じられません。
僕が感じたメリットを、5点にわけて解説します。
メリット① 各メンバーが自分のパートに集中して練習することができる
DTMでは作曲者一人で、バンドサウンドを作り込むことができます。
作曲者本人が表現したいニュアンスやフレーズを、細かく作り込むことで、それを各メンバーに伝えやすくなります。
それにより、各メンバーが自分の演奏に集中して、練習が出来るメリットが生まれます。
対して、コード作曲や詞先作曲で用意した、デモ音源を元に進めるとします。
このやり方だと、各メンバーの即興性やアレンジ能力が、問われることになります。
これは、ある程度の楽器経験がないと、なかなか出来ないでしょう。
また、楽器の技術があったとしても、時間も多くかかってしまいます。
是非とも、DTMに手を出してみてください。
メリット② 編曲(アレンジ)がデモ音源の制作段階で出来る
DTMで作曲を行うことにより、編曲(アレンジ)がデモ音源の制作段階で、出来るようになるというメリットも生まれます。
ギターやベースのフレーズ、リズムのブレイクやキメ、ドラムのフィルイン(おかず)などを、作り込むことが可能になるのです。
もちろん、最終的なアレンジは、バンドメンバー全員で行うことになります。
しかし、編曲済みの音源があることで、メンバー全員での練習や編曲作業を、スムーズに行うことも可能になります。その理由は、次の項目で解説します。
是非とも、DTMに手を出してみてください。(2回目)
メリット③ メンバー全員での編曲作業も短縮化出来る
作曲者が音源を予め作ることにより、メンバーでの編曲作業の時間を、短縮化することが可能になります。
DTMで制作したデモ音源を元とし、スタジオで音合わせや、アレンジを進めていく。
この段階では、各メンバーからの注文や不満が、現れることが多いです。しかし、すぐに解消することに繋げることが出来ます。
なぜ、すぐに解消できるのでしょうか?
それは、すでに叩き台とするデモ音源が、出来上がっているからです。
これにより、修正したい箇所を素早く見つけることができ、改良がすぐに出来るようになるのです。
このことから、DTMで音源を制作することにより、メンバー全員での編曲作業が短縮化することが出来るのです。
是非とも、DTMに手を出してみてください(3回目)
メリット④ コード作曲や詞先作曲にも適応できる
すでに紹介した「コード作曲」と「詞先作曲」を、DTMで適応させることも可能です。
上記の方法で作成した音源を元に、DTMで打ち込んだり、録音をし直して、デモ音源を制作する手法もあります。
僕は、DTMに手を出す前は、コード作曲を主体として、デモ音源を制作していました。
DTMに手を出したタイミングでは、その時のクセが抜け切れていなかったのです。
このクセをヒントに、先にコード作曲を済ませてから、DTMでの打ち込み・録音を行い、デモ音源を制作するようになりました。
もし、DTMを扱う自信がなくても、他の作曲法に応用させることで、出来るようになることもあります。
僕は今でもこの方法で、デモ音源を制作しています。
是非とも、DTMに手を出してみてください。(4回目)
メリット⑤ レコーディングを自宅で行えるようになる
DTMを使用することで、デモ音源の制作のみならず、自宅でのレコーディングも行えるようになります。
これは「宅録」と呼ばれるレコーディング法で、実際に僕のバンドでも、この方法を採用しています。
自宅でレコーディングを行うことにより、2点のメリットが生まれます。
・レコーディングスタジオのレンタル費用がかからない。
・時間を気にすることなく、納得がいくまで、レコーディングを進めることが出来る。
この2点のメリットが生まれ、高いクオリティの楽曲をレコーディングすることに、成功しました。
僕のバンドでは現在でも、宅録でレコーディングを行っています。
ただし、ドラムのレコーディングは、環境が整っていない限り、宅録では不可能です。
ドラムだけは、レコーディングスタジオで行う必要がありますので、注意してください。
是非とも、DTMに手を出してみてください。(5回目)
DTMを始めるに当たっての費用
DTMを始めるにあたり、専用の機材やソフトが必要となってきます。
・パソコン本体
・DTMソフト
・オーディオインターフェース
・モニタースピーカー or モニターヘッドホン (どちらか一つでも可)
・ダイナミックマイク or コンデンサマイク (どちらか一つでも可)
最低でも、この5つは必要になります。
それぞれかかる費用の内訳は
パソコン = およそ10万円
オーディオインターフェース = およそ2万円
モニタースピーカー = およそ2万円
モニターヘッドホン = およそ1万円
ダイナミックマイク = およそ1万円
コンデンサマイク = およそ3万円
DTMソフト = フリーソフトなら無料!
合計15〜20万円は、必要になってきます。
これを高いと感じるか、安いと感じるかは、あなた次第です。
しかし、あなたが今後、バンド活動や音楽活動を行なっていくのなら、これくらいの費用は捻出するべきです。
もしも、この費用を削ってしまうと、今後の作曲活動に多くの時間とお金がかかり続けます。
つまり、この値段より遥かに高い費用を、捻出することになります。
すでにパソコンをお持ちの場合は、ソフトや機材を導入するだけです。費用はそこまでかからないでしょう。
お仕事やアルバイトを頑張って、費用を捻出してはどうでしょうか?
是非とも、DTMに手を出してみてください。(5回目)
それでもDTMには手を出せないというあなたへの提案
やはり、今すぐにお金を捻出することが出来ない人や、DTMを使える自信が無い、という人もいることでしょう。
そんなあなたへ、DTMを使わない、バンドの作曲法を提案します。
コード作曲の応用
この記事で紹介した、コード作曲を応用した方法です。
この方法では、
・一曲丸ごとのコードを紙に書き出す
・それを弾き語り形式で、鼻歌でもいいので歌い録音する
と、解説しました。
これに一手間を加えます。それは、
「どのパートがどこでどのようなフレーズを弾き、どのようなリズムで演奏するか」
と、楽曲の構成を細かく書き出すことです。
詳しくは、下記の画像をご覧ください。
この画像は、コード表に各パートへの役割を、書き出したものです。
ちなみに、この画像のタイトルの「未完成のメロディ」とは、僕のバンドのオリジナル曲です(笑)
この画像では、一部分のみの公開しました。
あなたがこのやり方を行うときは、必ず一曲丸ごと書き出すようにしてください。
ここで、各パートの役割への書き出しで、特に押さえておきたいことを挙げます。
・ドラムのビートの刻み方を指示する。「Bメロでは緩やかに、サビは激しく」など。
・ベースの弾き方の指示する。「AメロからBメロの変わり目でスケールを弾く」など。
・リードギターの弾き方を指示する。「カッティングやギターソロの雰囲気を伝える」など。
・ボーカルの歌い方を指示する。「歌詞を理解し、感情を込めて歌えるように」など。
これくらい細かく書き出すようにすれば、各メンバーも練習がしやすくなります。
どうしてもDTMに手を出せる環境にない場合は、この手法を是非とも、採用してみてください。
曲のBPM(テンポ)も記入すること
曲のテンポ(BPM)を忘れずに記入しましょう。
BPMとは、ビートパーミニットの略称です。
これは、「一分間に何回拍を打つか」、を意味します。
上の画像の楽曲のBPMは145です。
つまり、「一分間に145回の拍を打っている」ことを意味します。
この数字が多くなればテンポが早くなり、少なければ遅くなります。
このテンポを決める事で、スローな曲なのか、ミドルテンポな曲なのか、速い曲なのかが、ある程度わかってきます。
コード進行だけでは、どういうテンポの曲なのかが、伝わりにくくなります。
各メンバーにコード表を見てもらった段階で、どういう曲なのかを伝わるように工夫するのも、作曲者としての務めです。
ちなみにBPMとは、音楽だけでなく、医学でも使われる用語です。
心臓が一分間に何回打っているかを、意味するようです。
メンバー全員や、ライブを観に来てくれたお客さんのハートに響くような、熱い音楽を作ろうぜ!
まとめ
では、この記事も終盤になってきましたので、これまでの解説をまとめます。
◇バンドの曲を作曲するためには、デモ音源を制作する必要がある
◇デモ音源の制作には、3つのパターンがある
・コード作曲
・詞先作曲
・DTM制作
◇バンドのデモ音源の制作はDTMがオススメ
・各メンバーが自分のパートに集中して練習することができる
・編曲(アレンジ)がデモ音源の制作段階で出来る
・メンバー全員での編曲作業も短縮化出来る
・コード作曲や詞先作曲にも適応できる
・レコーディングを自宅で行えるようになる
◇DTMを始めるにあたって、15〜20万円ほどの費用がかかる。
◇どうしてもDTMに手を出せないのなら、コード作曲に一手間加える
以上になります。
バンドのオリジナル曲を作るとなると、どうしても一人では出来ないこともあります。
また、メンバーと音合わせをしているときに、衝突などもあることと思います。
僕自身も、現役のバンドマンですので、こういったことがよくあります。
作りこんだデモ音源を提出しても、スタジオで音合わせをするときに、演奏が噛み合わないことが、多くあります。
しかし、それこそがバンドでオリジナル曲を作ることの、醍醐味であるとも言えます。
メンバーでアレコレ話し合い、少しずつ作り上げていく工程が、本当に楽しいのです。
そして、実際に初めて自分たちのオリジナル曲を、まともに演奏出来た時は、大きな感動を覚えました。
大変だと思いますが、絶対に楽しくなってきますので、頑張ってくださいね!
では、この記事はここまでです!
あなたのお役に立てたのなら、幸いです!