こんにちは。関西を拠点に活動中のロックバンド、Zinnia Staticeのウラタテツです。
曲作りを行おうとするとき、
「作詞と作曲のどちらから先に行えばいいかわからない」
という人がいることと思います。
作詞から始める方法を「詞先作曲」
作曲から始める方法を「曲先作曲」と呼ばれています。
曲の作り方にルールはなく、詞先と曲先、どちらを選んでも問題はありません。
そのため、作る人によって、
・作詞から始める方が作りやすい
・作曲から始めるのが作りやすい
意見がこの2点に分かれます。
ちなみに僕は、曲先で行うことがほとんどですが、場合によっては詞先で始めることがあります。
このため、両者のメリットとデメリットについても、理解しております。
これから曲作りに挑戦しようとするあなたにとって、どちらが作りやすいかをわかるように、メリット・デメリットを交えながら解説します。
詞先作曲
詞先作曲とは、歌詞を先に書いてから、それにメロディをつけていく方法です。
先ずは、詞先作曲のメリットについて解説します。
詞先作曲のメリット
詞先作曲には、以下のようなメリットが存在します。
・枠にとらわれることなく、自由に歌詞を書ける
・作詞者の表現を生々しく描ける
作詞というのは、「膨大な数の単語を言葉で紡いでいく作業」とも言えます。
あなたが詞先作曲を選択することで、使える言葉の選択肢が無限に拡がるメリットが生まれます。
そして、表現したいことや伝えたいことを、生々しく描くことが出来るでしょう。
このことから、歌詞の世界観の幅が拡がり、自由度が非常に高くなるメリットがあります。
また、メロディを気にせずに作詞が出来ることも、魅力の1つとも言えるでしょう。
詞先作曲のデメリット
詞先作曲を選択することで、歌詞の世界観の幅が拡がり、自由度が上がると解説してきました。
それ故に発生するデメリットがあります。
それは、曲が作りにくくなる、という点が生まれてしまいます。
自由な表現を作詞で行うことにより、「曲作りに対する自由度を奪ってしまう」とも言えます。
音楽には、リズム・メロディという、極めて重要な2つの要素があります。
リズム・メロディ無しでは、音楽は成立しないとも言えます。
つまり、音楽にはある程度のパターンが、決まっているのです。
ある程度決まっているリズム・メロディに、予め書いた歌詞を乗せるとき、言葉の過不足が発生しやすくなります。
これにより、「書いた歌詞を歌いきれない」、という場面に遭遇することが多々あります。
何故このようなことが、起こるのでしょうか?
音楽には、4拍子のリズムで構成されているものがほとんどです。日本の音楽だと特にです。
4拍子とは、「ワン ツー スリー フォー」の等間隔で、音が繰り返されて構成されているものです。
また、このことを小節と言います。
更に、音楽には、1番・2番という形で、曲が構成されています。
その中でメロディも、ある程度繰り返して、演奏されています。
つまり、音楽におけるリズム・メロディには、繰り返しという「縛り」が存在するのです。
このように、縛られたリズム・メロディに歌詞を乗せるということは、実はものすごく難しいことなのです。詞先作曲で行う場合は特にです。
僕は楽曲提供のお仕事を、させていただくことがあります。
とある仕事でクライアントから、
「歌詞を先に書いてあるので、それに曲をつけてください」
と依頼されたことがあります。
なんとか最後までやり切りましたが、本当に大変だったのをよく覚えています。
途中でクライアントに、
「文字数がどうしても合わない箇所があるので、こちらで訂正をしてもいいですか?意味が変わらないようには、絶対にしますので」と、頼んだほどでした。
どうしても詞先で曲を作りたい場合の、オススメの方法がありますので、ご安心を!
先ず、最初から全てを書くのではなく、1番だけを先に書くようにしてください。
そして2番の歌詞を書くときは、1番の歌詞との文字数を照らし合わせながら、作っていくのです。
実際、詞先作曲を行われる場合は、この方法が取られることが、多いとされています。
曲先作曲
曲先作曲とは、曲を先に作って、歌詞を後で書く方法のことを言います。
先ず初めに、曲先作曲のメリットについて解説をします。
曲先作曲のメリット
曲先作曲には、以下のようなメリットが存在します。
・感性や閃きで作ることが出来る
・リズムとメロディを徹底的に作り込める
・歌詞に左右されることなく作曲が行える
曲先とは、歌のメロディを先に作るだけでも成立します。
極論になりますが、鼻歌だけでも作ることが可能です。
普段から音楽をよく聴いている人なら、自分が好きなタイプのメロディを、感覚で覚えていることと思います。
このことに当てはまる人なら、メロディを作るときの閃きも、比較的簡単に出来るでしょう。
そのため、一度メロディが思い浮かんだら、自分にとって聴き心地の良いメロディを頼りに、続きを作ることも容易に出来るでしょう。
また、一般的な音楽は「ド レ ミ ファ ソ ラ シ」の、7つの音階で作られています。
歌詞を書くときみたいに、「膨大な言葉から何かを選び表現する」、という必要もありません。
そして、例え歌詞がなくても、曲として成立させることが出来るのが、最大の特徴とも言えます。
歌詞は最後に書けばいいので、リズム・メロディの大幅な変更を強いられることも少なくなります。
曲先作曲のデメリット
曲先作曲のデメリットは、リズム・メロディが先に出来上がっているため、作詞で使える言葉や表現力が制限される点にあります。
具体的には、以下の点があります。
・この言葉を使いたいけど、リズムにハマらない
・下手な歌詞をつけるとメロディが劣化してしまう
といった現象が起こることがあります。
曲先作曲は、作詞の自由度を大幅に奪ってしまうことがあります。
このことから、詞先作曲とは、真逆の現象が発生することがわかります。
また、作ったメロディが、あなたの好きな曲と似過ぎてしまう傾向も、出てくることがあります。
作曲は限られた音階で行うため、何かの曲に似てしまうのは、仕方のないことではあります。
しかし、あまりにも似過ぎてしまうと、それは何かの曲の劣化コピーという扱いになります。
このことにも、注意する必要があります。
詞先と曲先それぞれのデメリットの対処法
ここまで、曲先と詞先のメリットとデメリットについて解説してきました。
デメリットの部分だけ切り取って読むと、
「どっちがいいねん!」なんて思う方もいるでしょう。
ここで僕から、詞先と曲先それぞれのデメリットの対処法を、僕の経験談を交えて解説します。
詞先作曲の場合、歌詞の世界観を優先するあまり、曲が作りにくくなるというデメリットが現われます。
曲先作曲の場合は、リズムとメロディが予め決まっているため、歌詞で表現できることが少なくなるデメリットが現れます。
それぞれの対処法について、解説します。
詞先作曲の場合は
表現力が豊かで、幅広い世界観のある歌詞を、どうやって曲にするのか?
曲先作曲の場合は
限られたリズム・メロディの中で、どれだけ表現力が豊かな歌詞が書けるのか?
このことをテーマにしてください。
デメリットを克服するという姿勢です。
これは、正直なところ、難易度はかなり高いです。
精神論のようで申し訳ないですが、こればかりは経験を積まなければ、会得できるスキルではありません。
しかし、長く経験を積むことで、出来るようにすることが可能です。
今後、あなたが音楽制作を長く続けていきたいと考えているのなら、このことを念頭に入れておく方がいいでしょう。
音楽制作は、詞先か曲先かの、どちらかを選ぶところから出発します。
そのため、メリットとデメリットが、嫌でも付いて来てしまいます。
そのデメリットを克服するという姿勢が、あなたのスキルを向上させることに繋がるのです。
更に、メリットもより強く強調させることが出来ます。
僕自身、作詞・作曲・編曲のキャリアは10年以上になります。
僕の場合は、曲先で作ることが多いので、歌詞の世界観の表現にいつも悩まされています。
しかし、限られたリズム・メロディの中で、どれだけやれるか?
このことをテーマにして、制作にあたっています。
初めてのうちは、本当に出来ずに、苦労しました。
しかし、経験を積んできたことによって、それが出来るようになったと実感しています。
まだまだ納得はしてませんけどね(笑)
頑張りましょう!
まとめ
では、この記事も終盤になりますので、これまでの解説をまとめます。
◇曲作りには、作詞と作曲、どちらからするかのルールはない
◇作詞から始める詞先作曲には
・歌詞の世界観の幅が拡がり、自由度が高くなるメリットがある
・歌詞の自由度を優先したため、曲が作りにくくなるデメリットがある
◇作曲から始める曲先作曲には
・感性や閃きで曲が作れるメリットがある
・リズム・メロディの制限があるため、歌詞が書きにくいデメリットがある
◇経験を積んで、デメリットを克服出来るようになろう!
以上になります。
あなたにとって、詞先と曲先、どっちがやりやすそうでしたか?
曲の作り方は、本当に人それぞれです。
あなたに合った曲の作り方を見つけて、音楽ライフを充実させてくださいね!
では、この記事はここまでです!
あなたのお役に立てたなら、幸いです!