こんにちは。関西を拠点に活動中のロックバンド、Zinnia Staticeのウラタテツです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2020/09/IMG_1467-1024x576.jpg)
Twitter:@zinnia_tetsu
Logic Pro X(ロジックプロテン)を使った、ボーカルミックス・編集の方法について、解説をしていきます。
このDAW(作曲ソフト)には、優秀なプラグインが豊富に搭載されています。
使いこなせば、外部のプラグインを使わなくても、十分にボーカルの魅力を引き出すことができるでしょう。
では、Logic Pro Xを使った、ボーカルミックスの解説を進めます!!
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
ボーカルのトラックにプラグインを追加する方法
Logic Pro Xでボーカルをミックスするためには、トラックにプラグインを追加する必要があります。
トラックについては、以下の画像をご覧になれば、わかりやすいです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-19.39.26-1024x640.png)
トラックとは、ボーカルや楽器音声などのデータを収納している入れ物のようなものです。
プラグインとは、イコライザーやコンプレッサーなどのエフェクターや、
ピアノやシンセサイザーなどの音源に、アンプシミュレーターなどのことの総称です。
ボーカルのミックスで使うプラグインは、主にエフェクターを使用していきます。
では、ボーカルのトラックにエフェクターを追加する方法を解説していきます。
下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-20.34.12-1024x640.png)
まず始めに、プラグインを挿入したいトラックを選択します。
次に、画面左上のiボタンをクリックしてください。すると、次のような画面になります。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-20.41.58-1024x640.png)
画面の左側に、トラック単体のミキサーが登場しました。
画像の赤く囲ってあるAudio FXという箇所に、エフェクターを追加していきます。
追加する方法は、ここにアイコンを合わせてクリックすると、下のような画面になります。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-20.43.36-1024x640.png)
登場したメニューの一覧が、エフェクターになります。ここから追加したいものを選択していきます。
ボーカルのミックスで使用するエフェクターは、以下の5つです。
・イコライザー
・コンプレッサー
・ディエッサー
・リバーブ
・ディレイ
それぞれについて、解説をしていきます!
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
イコライザーで低音域とノイズをカットする
まずボーカルトラックの、不要な周波数をカットするために、イコライザーを使用します。
Logic Pro Xには様々な種類のイコライザーが搭載されていますが、ボーカルのミックスでは、Channel EQというものを使います。
イコライザーの追加方法は、下の画像をご覧になてってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-20.53.00-1024x640.png)
Audio FXをクリックしたら、EQ → Channel EQ → ステレオの順番で選択すればオーケー!
イコライザーの使用目的は、前述の通り、不要な低音域やノイズをカットすることにあります。
これをしておかないと、ボーカルがオケの低音域とぶつかり、音のゴワツキの原因となります。
どの程度カットするかは、歌い方などによって変わってきます。
ここでは、50Hz以下をバッサリ切り落とします。なぜこの数字なのかというと、人間は50Hz以下の音声を、聴き取ることができないからです。
では、下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-20.58.21-1024x640.png)
イコライザーの画面が立ち上がったら、左上にあるへの字になっているボタンをクリックします。
このボタンは、バイパスフィルタと呼ばれるもので、指定した数字以下の帯域をカットする役割があります。
イコライザーを立ち上げた時点では、オフになっています。よって使いたい場合は、への字をクリックしてオンにしておきましょう。
オンにしたら、下の方で赤く囲っている箇所に目を向けてください。数値が3段に分かれて、設定されているのがわかると思います。
その一番上の数値を50Hzに設定すれば、低音域をカットすることができます。
続いて、ノイズも一緒にカットしてしまいます。
これは、ボーカルに限らず、大体の楽器音声にはノイズが発生する帯域が存在します。
ここも同時にカットしておくことで、ボーカルの音声をスッキリとさせることができます。では、下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.17.05-1024x640.png)
まず、選択したフィルタの一番下の数値を100に設定します。
ここの数値は、Qフィールドと呼ばれるもので、増減する周波数の前後を決めるものです。DTMの世界では、「Q幅」と呼ばれています。
次に、真ん中の数値を+24(最大値)まであげます。この数値はゲインと呼ばれるもので、指定した周波数の音量を上下させる役割があります。
次に、1番下の数値(周波数)を上下させながら、音を聴きます。すると、どこかでハウリングを起こす箇所が出てきます。
それが、ボーカルトラックのノイズに該当する場所です。
それを発見したら、その場で、ゲインを-24(最低値)まで下げます。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.31.37-1024x640.png)
上の画像のように、数値を最大まで下げることで、ノイズをカットすることができます。
また、ノイズの発生箇所が複数ある場合もあります。その時は、他のフィルタを使い、同じ方法でカットしていけばオーケーです!
これで、イコライザーを使ったノイズ処理は完了です!
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
コンプレッサーで音量バランスを均一にする
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/01/vu-meter-70433_640.jpg)
Logic Pro X標準搭載のコンプレッサーは、初心者にも扱いやすいと評判です。
コンプレッサーとは、トラックの音を圧縮し、音量を均一にするためのプラグインです。
ボーカルとは、音量幅(ダイナミクスレンジ)が非常に広いパートです。
例えば、Aメロでは歌声が小さいのに対し、サビでは大きくなるなどがよくあります。
ミックスでは、このボーカルの音量幅を均一にする必要があります。
これをしなければ、声が急に大きくなったり、小さくなったりします。そうなると、聴きづらい音楽が出来上がるだけです。
また、これはボーカル以外のトラックにもよく活用され、ミックスでは欠かせないプラグインとされています。
では、ボーカルのトラックに、コンプレッサーを追加します。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.46.52-1024x640.png)
Audio FXをクリックし、Dynamics→Compressor→ステレオの順番で選択すれば、
ボーカルトラックに、コンプレッサーを追加することができます。
すると、画面が以下のようになります。ご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.51.35-1024x640.png)
ご覧になったように、コンプレッサーには数多くのパラメータが存在します。
これを一つずつ設定していきますが、主に以下の8つを設定します。
・7種類あるコンプレッサーの中から、一つを選ぶ。(どれを選んでも問題はありません。)
・AUTO GAINとAUTO RELEASEをオフにする。
・THRESHOLD(スレッショルド)
・RETIO (レシオ)
・ATTACK(アタック)
・RELEASE(リリース)
・KNEE(ニー)
・MAKE UP(メイクアップ)
それぞれのパラメータに分けて、使い方の解説を進めていきます。
どのコンプレッサーを使えばいいのか?
Logic Pro X標準搭載のコンプレッサーには、7種類もの数が用意されています。
これは、種類によってかかり方が変わってきますが、どれを選択しても問題はありません。
ここでは、Platinam Degital(プラチナデジタル)を選択して、解説を進めていきます。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-20.10.33-1024x799.png)
オートゲインとオートリリースをオフにする
Logic Pro Xのコンプレッサーには、オートゲインとオートリリースというパラメータが存在します。
これは、ボーカルなどのトラックに合わせて、自動的に数値を決めてくれるものです。
しかし、ここではオフにして、ボーカルのミックスをすることをオススメします。
なぜなら、手動で行った方が、音の変化を感じ取りやすくなるからです。
また手動の方が、自然な形で圧縮をかけることができるのも、オススメする理由の一つです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-22.04.17-1024x799.png)
オフにするには、上の画像のように設定してください。
スレッショルド = 圧縮するしきい値を決める
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.52.57-1024x800.png)
まずは初めに、スレッショルドというパラメータの設定から行います。
このパラメータは、圧縮をかけるしきい値を決めるものです。
しきい値とは、圧縮する音量の位置を決めるパラーメータです。
決まった位置から、音が飛び出そうとするのを防ぐイメージです。
音の変化については、聴覚的な面と、視覚的な面での確認が可能です。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-22.29.34-1024x629.png)
しきい値を視覚的に確認するために、コンプレッサーの画面のGraph(グラフ)をクリックしてください。
すると、画面が上の画像のように切り替わります。
画面左側の線がしきい値になります。音量がここを越えようとすると、音が圧縮される仕組みです。
スレッショルドでは、この線の高さを決めることができます。
「この数値にすればいい」、という明確なものはありません。よって、オケを流しながら数値を前後させ、ちょうどいいところで設定すればいいでしょう。
ここでは、スレッショルドの数値を-20に設定しました。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-22.43.57-1024x800.png)
レシオ = 圧縮の比率をコントロールする
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.55.29-1024x802.png)
次にレシオを使い、ボーカルのトラックの圧縮の比率を設定します。
これも明確な数値はありませんが、ボーカルの場合は比率を上げすぎると、圧縮がかかりすぎる傾向にあります。
こうなると、元々の歌声の抑揚などが潰れて、平坦な音になってしまいます。
よって、比率は低めに設定すればいいでしょう。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-19.16.45-1024x798.png)
アタック = 圧縮のかかり始まるタイミングを設定する
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.58.11-1024x802.png)
アタックを使い、ボーカルのトラックに圧縮をかけ始めるタイミングを設定します。
これも明確な数値はないのですが、ボーカルのミックスでは、数値を低めにし早く圧縮をかけることが多いです。
数値が大きくなると、圧縮がかかるタイミングが遅くなります。
ここでは、5.5msに設定し、コンプを早い段階でかかるようにしました。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-19.19.42-1024x805.png)
リリース = 圧縮をいつまでかけるかを設定する
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-21.59.42-1024x803.png)
リリースを使い、圧縮をかけ続けるタイミングを設定します。
数値が小さいと圧縮がかかる時間が短くなり、大きいと長くなります。
これも他のパラメータと同様に、明確な数値はありません。
しかし、ボーカルのミックスの場合だと、この数値を上げすぎると歌声が潰れる傾向にあります。
そうなると、抑揚などの特徴がなくなってしまいます。
リリースは長めでも、ハーフ程度にしておけばいいでしょう。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-19.23.01-1024x802.png)
ニー = しきい値の圧縮の強度を設定する
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-22.08.50-1024x800.png)
ニーを使い、しきい値の圧縮の強度を設定します。
これは、数値が0に近づくほどに、圧縮の強度が強くなります。
逆に0よりも小さくなると、強度が弱くなり、柔らかく圧縮がかかります。
これも明確な数値はありませんが、ボーカルのパートの場合は、0にして柔らかくする方がいいでしょう。
そうすることで、歌声の特徴を潰さずに、圧縮をかけることができます。
ここでは、以下の画像のように、ニーを設定しました。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-19.28.51-1024x754.png)
メイクアップ = ボーカルをオケに馴染ませる
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-23-22.02.52-1024x799.png)
メイクアップを使い、ボーカルをオケに馴染ませましょう。
メイクアップとは、トラックの最終的な音量を決めるパラメータのことです。
これも明確な数値はありません。よって、オケを再生しながら、メーターを上下させるといいでしょう。
その中で、オケと馴染む箇所まで設定すればオーケー!
ここでは、以下の画像のように設定しました。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.05.19-1024x799.png)
ディストーションを使い歌声を太くする
Logic Pro X標準のコンプレッサーには、ディストーションというパラメータが付いています。
ディストーションとは、音を歪ませる効果があるのですが、ここでは音を太くするために使います。
パラメータの種類は、[off] [soft] [Hard] [clip]の4種類存在しますが、ここではsoftを使用します。
というか、softが一番音が太くなる印象があります。
Hardだから、より音を太くできそうなのですが、これがLogic Pro Xの仕様なのでしょう。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.07.09-1024x797.png)
尚、このパラメータを使うことで、ボーカルが前に出すぎることもあります。
その場合は無理に使わずに、offにしておけばいいでしょう。もしくは、メイクアップを下げるのも手段の一つです。
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
ディエッサーを使い歯擦音(しさつおん)をカットする
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2020/09/singer-690117_1280-1024x682.jpg)
ディエッサーとは、ボーカルの声の歯擦音(しさつおん)をカットするためのプラグインです。
歯擦音とは、「さしすせそ」などの声を発声するときに起こる、息漏れのことを言います。
試しにここで、「さしすせそ」と発声してみてください。
他の言葉と違い、息漏れが多く発生しているのが、わかると思います。
日常会話などでは、このようなことを気にすることはまず無いでしょう。
しかし、ボーカルのミックスでは、気にしなければいけません。
なぜなら、マイクはこの歯擦音を大きく録音しているからです。
Logic Pro Xには、それをカットするためのディエッサーというプラグインが、標準搭載されています。
では、ボーカルのトラックにインサートしましょう。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-20.01.36-1024x640.png)
Audio FXをクリックし、Dynamics→DeEsser→ステレオの順番で選択していけば、ディエッサーを追加できます。
すると、以下のような画面が登場します。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-20.20.38-1024x798.png)
ディエッサーが立ち上がったら、Monitor(モニター)→Sensitivity(センシティビティ)を選択します。
こうすることで、このエフェクターがボーカルの歯擦音のみを抜き出してくれます。
トラックをソロモードにし、ボーカルだけを流して聴いてみると、わかりやすいでしょう。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-20.26.29-1024x683.png)
この状態にしたままで、このエフェクターのパラメータを設定していきます。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-20.46.58-1024x653.png)
まず、画面左上のFreqency(フリケンシー)を、最大値まで上げます。これは、歯擦音を低減する周波数を決めるパラメータになります。
次に、その下のSensitivity(センシティビティ)を上げることで、歯擦音をカットすることができます。
ここで、このパラメータを上げすぎると、歯擦音以外の声もカットされてしまいます。ここでは、7.2%に設定しています。
これらのパラメータの設定ができたら、モニターをオフにするようにしてください。
では、更にパラメータを設定していきます。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-20.56.08-1024x613.png)
画面右側にある、Frequency(フリケンシー)を最大値まで上げます。
最後にストレンジを設定し、歯擦音に圧縮をかけます。ここの数値は上げすぎると、歌声がこもってしまいます。
よって、実際にオケを再生しながら、丁度いいところで設定する方がいいでしょう。
これで、歯擦音をカットすることができました!
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
空間系エフェクターを使いボーカルの輪郭をハッキリとさせる
空間系エフェクターとは、音に広がりの効果をつけるものです。
わかりやすく言うと、大きなコンサートホールで声を出した時のような広がりや、山彦のような効果をつけることができます。。
このような空間系エフェクターは主に、リバーブとディレイの2種類があります。
Logic Pro X標準搭載のリバーブとディレイは、大変に優秀な効果を発揮してくれますので、それぞれの使い方について解説をしていきます。
空間系エフェクターはセンドでかけよう
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/03/cyberspace-2784907_640.jpg)
空間系エフェクターは、センドでかけるのが一般的とされています。
これは、Logic Pro Xに限らず、どのDAW(作曲ソフト)でも、同じように行われます。
センド方式の仕組みについては、かなりややこしいので省きますが、これでかけるには2つの理由があります。
1つは、ボーカルの歌声の原型を保つために、センド方式でかけます。
これまで解説してきた、エフェクターの追加方法は、すべてインサートでのやり方です。
インサートとは、特定のトラックに一つだけプラグインを追加する方法です。
これまでと同じように、インサートで空間系エフェクター追加すると、元のボーカルの歌声が崩れる傾向にあります。
具体的には、効果がつきすぎてしまい、篭ったような音質になるなどが挙げられます
対してセンド方式で行うと、ボーカルの歌声をしっかりと保ちながら、効果をつけることができます。
もう1つは、パソコンにかかる負荷を軽減させるためです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2020/12/lifting-24401_640.png)
実は、インサートでエフェクターをかけると、パソコンへの負荷がかなり大きくなるのです。
特に空間系を使った時の負荷は、相当な大きさになると言われています。
このようなことを軽減させるためには、センドで行う必要があるです。
もちろん、インサートで空間系エフェクターを使う場合もありますが、センド方式でのやり方も覚えておいて損はありません。
しっかり、その方法を学習しておきましょう。
センドのかけ方
では、Logic Pro Xでのセンドのかけ方を解説していきます。
まず始めに、AUX(オグジュアリー)トラックを用意します。
下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.14.10-1024x640.png)
画面左上にある、ミキサーボタンをクリックしてください。次に、登場した画面左上のオプションをクリックしてください。
出てきたメニューの一番上の、「新規オグジュアリー。チャンネル・ストリップを作成」をクリックしてください。
すると、以下の画像のように、オグジュアリーチャンネルが追加されます。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.23.24-1024x640.png)
この追加されたオグジュアリートラックに、空間系エフェクターを追加します。ここでは、リバーブをつけます。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.27.01-1024x519.png)
追加されたオグジュアリートラックの、Audio FXをクリックしてください。
次に、Reverb→ChromaVerb→ステレオの順番で選択していけばオーケー!
続いて、オグジュアリートラックの、インプット設定を行います。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.32.53-1024x629.png)
オグジュアリートラックの上部にある、Inputをクリックします。
次にBusを選択し、そこから登場するメニューのいずれかを選択します。この記事では、Bus 8に設定をしました。
ここまでできたら、次はボーカルのトラックのセンドスロットを追加します。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.39.01-1024x640.png)
ボーカルのトラックのSendをクリックし、Bus→Bus 8の順番で選択すれば、下の画像のようになります。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-21.42.04-1024x640.png)
ボーカルのトラックに追加されたセンドの、丸いツマミを上下させれば、エフェクターの効果をかけることができます。
また、オグジュアリートラックが最低値になっていますので、0に設定しておきましょう。
これで、センドでのエフェクターの追加ができました!
空間系は、リバーブとディレイの2種類を使います。
センドではオグジュアリートラックを2つ用意し、それぞれのトラックに、1つずつエフェクターを追加するようにしてください。
リバーブを使い残響感を演出する
リバーブとは、音の広がりや残響感を演出するエフェクターです。
前述しましたが、コンサートホールなどの広い場所で手を叩いた時に、「パーーーーーン」と鳴り響くような効果をつけることができます。
このエフェクターをボーカルにかけることで、音を埋もれさせることなく、広がりを出すことができます。
Logic Pro Xには、様々なリバーブが標準搭載されており、どれも優秀なものばかりです。
ここでは、ChromaVerbというリバーブを使って、解説を進めます。
リバーブの追加方法は、上記にて前述済みですので、そちらを参照してください。
では、エフェクターを立ち上げたら、下の画面が登場します。ご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-24-22.14.40-1024x803.png)
これが、ChromaVerbの画面になります。
様々なパラメータが搭載されていますが、これにはイコライザーもあり、非常に多機能な構成となっております。
ただ、逆に多すぎて、何をどう触ればいいかわからないかと思います。
ここで、オススメするのが、プリセットを利用することです。
プリセットとは、エフェクター内部で、予め設定されてあるパラメータのことをいいます。
これを選択し、そこから手動で設定していけば、かなりわかりやすく効果を感じることができます。では、下の画像をご覧ください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-21.51.41-1024x678.png)
リバーブの画面左上の、手動をクリックしてください。次に、Halls→Vocal Hallの順番で選択すると、下の画面のようにパラメータが設定されます。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-18.32.10-1024x799.png)
これで、プリセットでの設定ができました。
ここで注目してもらいたいのが、画面右下にある、Dry(ドライ)とWet(ウェット)の2つです。
これらのパラメータの効果は、以下の通りです。
・Dryの数値が高いほどに、原音の状態が保たれます。
・Wetの数値が高いほどに、リバーブの効果が大きくなります。
このことから、DryとWetの数値でリバーブ効果を決定づけるといってもいいでしょう。
これは、数値をこうすればいいという、明確なものはありません。
楽曲の特性を考慮しながら、リバーブの効果の大小を決めるようにしましょう。
ここでは、上記の画像のままで設定をしました。
また、リバーブの詳しい設定の方法については、下記の記事にて解説をしています。お気になる方は、こちらも併せて、お読みください。
・DTM!リバーブの使い方!かけ方や設定のコツを伝授します!
ディレイを使いボーカルの存在感を演出する
ディレイは、山彦のような効果をつけるエフェクタターです。
このような効果をつけることで、ボーカルにハッキリとした存在感を与えることができます。
ボーカルでは効果を強くつけず、「ショートディレイ」と呼ばれるかけ方をするのが一般的です。
Logic Pro Xには、様々な種類のディレイがあります。ここでは、Tape Delayを使用して解説を進めます。
パラメータの設定も、プリセットを使い、そこから微調整をすればやりやすいです。
では、下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-18.40.47-1024x615.png)
ディレイを追加するときは、リバーブとは別のオグジュアリートラックを作って、追加するようにしてください。
新たに追加したトラックのAudio FXをクリックし、Delay→Tape Delay→ステレオの順番で選択すればオーケー!
では、下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-18.47.01-1024x691.png)
プリセットの出し方は、デフォルトをクリックすればメニューが出てきます。
ここでは、1\16 Note Feedbackを選択します。
すると、以下の画面のように、パラメータが自動的に設定されます。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-18.52.24-1024x640.png)
Tape Delayでは、様々なパラメータがありますが、特にFEEDBACKの設定で山彦の効果が決まります。
この効果を微調整するときは、これを上下させて設定してください。
次にボーカルトラックのセンドメーターを、9時くらいの位置まで上げてください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/04/スクリーンショット-2021-04-25-18.58.31-1024x610.png)
ここで、ボーカルのトラックをソロにして再生すると、歌声にディレイの効果が出ているはずです。
ここで、センドのツマミ上下させながら微調整をし、あなたの好きな数値に設定しましょう。
調整が終わったら、オケと同時にボーカルを再生してください。この時、山彦の効果が出ていないように感じたらオーケー!
ボーカルにディレイをかけるポイントは、オケと混ぜたら効果がわからなくなる程度にすることです。
こうするだけで、ボーカルの存在感をハッキリとさせることができます。
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
まとめ
Logic Pro Xには、ボーカルのミックスで使えるプラグインが満載です。
外部のプラグインを使う必要がないほどに使い勝手がよく、僕も重宝しています。
使いこなすのに時間はかかると思いますが、この記事の解説を参考にすれば、あなたもボーカルのミックスができるようになります。
頑張ってくださいね!
また、このサイトではミックスを含めた、パソコンで作曲をするためのDTM講義を無料で公開しています。
これから作曲を始めたい方や、始めてみたものの上手くできないという方には、特に必見の内容です。
下記リンクにアクセスすれば、無料講義を受け取れますよ!
無料!ミックスを含むパソコンで作曲をするための無料DTM講義を受け取る
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/12/IMG_2928.jpg)
では、この記事は以上になります!
あなたのお役に立てたら幸いです!