こんにちは。関西を拠点に活動中のロックバンド、Zinnia Staticeのウラタテツです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2020/09/IMG_1467-1024x576.jpg)
Twitter:@zinnia_tetsu
Logic Pro Xのコンプレッサーには、7種類ものモデルが標準搭載されています。
また、スレッショルドやゲインなどの基本的なパラメータに加え、リミッター機能なども搭載されています。
大変に多機能で、僕を含め、愛用しているユーザーが多くいるのも納得です。
しかし、初めて使う方にとっては、使い方や違いがわからないという方も多くいると思います。
これを解消するためには、各パラメータの意味を把握し、それぞれの種類の特徴を知る必要があります。
そこでこの記事では、Logic Pro X標準搭載のコンプレッサーの使い方や、7種類それぞれの特徴について解説をしていきます。
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コンプレッサーの追加方法・どこにあるか?
まず、コンプレッサーの追加方法や、どこにあるかを解説します。
既にご存知の方は、この項目は飛ばしても問題はありません。
まず始めに、トラックを選択し、画面左上の[i]をクリックします。
すると、画面の左側に、選択したトラックのミキサー画面が登場します。下の画像をご覧になってください。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.32.09-1024x640.png)
次にミキサー画面の、Audio FXをクリックしてください。
するとメニューが登場しますので、Dynamics→Compressor→ステレオの順番で選択すれば、コンプレッサーを追加できます。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.37.42-1024x640.png)
これでコンプレッサーを、トラックに追加することができました!
続いて、パラメータについて解説を進めます。
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基本的なパラメータ
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-21.50.16-1024x799.png)
まず初めに、コンプレッサーに搭載されている、基本的なパラメータについて解説をします。
これは、Logic Pro X以外のものにも大体ついているものです。
それぞれがどのように作用するのかを、しっかりと把握しましょう。
THRESHOLD(スレッショルド)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-21.51.57-1024x798.png)
スレッショルドとは、圧縮のしきい値を決めるパラメータです。
音量がしきい値に達しそうなると、それが飛び越えないように、抑え込む役割があります。
最低値で-50dB、最高値で0dbまで設定できます。
この数値が小さくなるほど圧縮の度合いが大きくなり、数値が大きくなると小さくなります。
このことについては、下の画像をご覧になればわかりやすいです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-21.54.16-1024x662.png)
コンプレッサーの画面のGraph(グラフ)をクリックすると、グラフに切り替わります。
スレッショルドの数値を下げると、画像の赤い線が下がり、音量を抑える度合いが大きくなります。
この数値を設定することで、トラックの奥行きを調節することもできます。
RATIO(レシオ)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-21.58.51-1024x799.png)
スレッショルドで決めたしきい値を超え、どれくらいの比率で圧縮するかを決めるパラメータです。
3.1:1や4.1:1などの数値で設定しますが、頭の数字が大きくなるにつれて、ギュッと詰まったような音に変化します。
数値を上げすぎると、音がペチャンコになります。
ナチュラルな仕上がりを目指しているなら、あまり上げすぎないほうがいいでしょう。
MAKE UP(メイクアップ)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.01.20-1024x801.png)
圧縮によって、小さくなった音量を元に戻すために使います。
上げすぎると、歪な音質に変化しますので、音を確認しながら調節しましょう。
KNEE(ニー)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.02.53-1024x799.png)
圧縮のかかり具合を調整するパラメータです。
この数値が大きいほどに圧縮のかかりが柔らかくなり、逆に小さいとガツガツとかかります。
ATTACK(アタック)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.04.48-1024x797.png)
圧縮がかかり始まるタイミングを調節するパラメータです。
数値が小さいほどにタイミングが早くなり、大きいほどに遅くなります。
RELEASE(リリース)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.06.46-1024x800.png)
圧縮がかかり終わるタイミングを調節するパラメータです。
数値が小さいほどにすぐに圧縮が終わり、大きいほどに持続します。
また、Logic Pro Xのリリースには、オート機能があります。リリースのツマミの、右隣がそれになります。
これをオンにすると、自動でリリースをかけてくれます。
リリースの設定方法がわからない場合は、これをオンにしておけばいいでしょう。
INPUT GAIN(インプットゲイン)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.08.59-1024x798.png)
音をコンプレッサーに、どれだけの音量を送るかを決めるパラメータです。
原音のボリュームの大小が激しい場合は、上下させて設定するといいでしょう。
AUTO GAIN(オートゲイン)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.10.40-1024x799.png)
これをオンにすると、メイクアップを自動で行ってくれます。
僕の場合は、これを使うことはなく、必ずオフにしています。
特にボーカルの場合だと、歌声のバランスが返って悪くなる印象があります。
使ってみたい場合は、-12dBに設定することをオススメします。
0dBの場合だと、音量が上がりすぎて、音割れを起こすことが多いです。
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リミッターのパラメータ
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.12.12-1024x804.png)
Logic Pro Xのコンプレッサーには、リミッター機能が搭載されています。
リミッターとは、コンプレッサーの効果を強化したような存在です。
通常のコンプレッサーは、しきい値を越えようとする音量を抑え込む役割があります。
確かにそれで間違ってないのですが、実際は完全に押さえ込めていないことが多いのです。
それに対してリミッターは、しきい値を飛び越えようとすると、そこを完全に切り落とす効果を発揮します。
その名の通り、制御機能とも言えますね。
この機能を使えば、キックの音を限界まで圧縮し、エレクトロ系に向いたサウンドを作ることができます。
これにもいくつかのパラメータが存在しますので、それぞれについて解説を進めます。
LIMITER ON(リミッターオン)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-06-22.16.49-1024x799.png)
このボタンを押すと、リミッターのオンオフを決めることができます。
使いたい場合は、オンにしましょう。
THRESHOLD(スレッショルド)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.01.27-1024x799.png)
リミッターにも、スレッショルドが存在します。
これは前述の通り、コンプレッサーとは違い、設定した数値の音量を完全にカットします。
数値が0に近いほど、音が一気に飛び出します。
DISTORTION(ディストーション)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.02.42-1024x797.png)
音に歪みの成分を加えるパラメータです。
Off、Soft、Hard、Clipの4種類ありますが、なぜかSoftが一番音が太くなる印象です。
僕はリミッターはオフにして、ディストーションをSoftに設定して、音を太くすることがよくあります。
MIX(ミックス)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.05.00-1024x801.png)
このパラメータを設定することで、リミッターをかけた音と、かけていない音を混ぜることができます。
左に振り切って、少しずつ右に回していくと、混ざり具合を確認しながら行えます。
OUTPUT GAIN(アウトプットゲイン)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.08.20-1024x799.png)
最終的な音量を決めるパラメータです。
音が大きすぎると感じるなら下げて、小さいと感じるなら上げるようにしましょう。
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Logic Pro Xに標準搭載されている7種のコンプレッサーの特徴
Logic Pro Xには、全部で7種類ものモデルが搭載されています。
それぞれに違いや特徴があり、シーンによって使い分けると、大きく効果を発揮することができます。
例えば、アコギやボーカルに向いたモデルや、ドラムのキックに向いたものなど様々です。
一つずつ解説をしていきますので、しっかり読んでくださいね。
Plutinam Digital(プラチナデジタル)
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.10.29-1024x807.png)
Logic Pro Xオリジナルモデルのコンプレッサーです。
圧縮のかかり方は、7つあるもののうち、一番フラットといえます。
僕の場合だと、ボーカルなどの単体のトラックに追加することは、あまりありません。
サミングスタックを採用したフォルダトラックに追加し、トータルバランスを取るために使うことが多いです。
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-21.28.37-1024x640.png)
また、マスタリングを行うときにも最適で、その効果を発揮することができます。
Studio VCA
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.14.24-1024x799.png)
Studio VCAは、Forcusrite REDというモデルのコンプレッサーを再現したものです。
VCAとは、Voltage Controlled Amplifier(ボルテージコントロールドアンプリファイア)の略称です。
これは、デジタル的でありながらも、アナログ感のある温かい音を作り出すことができます。
Logic Pro Xユーザーの多くは、これを使っている人が多い印象です。
僕は、ベースやドラムのキックに使うことが多いですね。
Studio FET
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.16.11-1024x800.png)
Studio FETは、1176 Rev E”Blackface”というモデルのコンプレッサーを再現したものです。
FETとは、Field Effect Transistor(フィールドエフェクトトランジスタ)の略称です。
Blackfaceという名の通り、真っ黒で無骨なレイアウトになっていますね。
これは、バリバリのデジタル系に分類され、トラックにエネルギッシュな成分を加味することができます。
強めに圧縮をかけると、一気に音が前に飛び出してくるので、ドラムのスネアなどに使うことが多いです。
KNEE(ニー)のパラメータが省かれているのも、圧縮を硬くかけるためだからだと考えられます。
Classic VCA
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.18.57-1024x801.png)
Classic VCAとは、dbx160というモデルのコンプレッサーを再現したものです。
温かみがありながらも、アグレッシブなサウンドを再現することができます。
アタック・リリース・ニーのパラメータは省かれていますが、シンプルながらもタイトなサウンドを再現することができます。
Vintage VCA
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.21.41-1024x796.png)
Vintage VCAとは、SSL G BUS Compressorというモデルを再現したものです。
Plutinam Digitalと同様に、トータル的な音量バランスを構築するのに向いているコンプレッサーです。
Vintage FET
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.22.59-1024x797.png)
Vintage FETは、Studio FETの兄弟的なポジションのコンプレッサーです。
Studio FETよりも、エネルギッシュでパワフルなサウンドを加味することができます。
僕は、ドラムのスネアのようなパートに使うことがあります。
Vintage Opto
![](https://uratatetsu.com/wp-content/uploads/2021/05/スクリーンショット-2021-05-07-20.26.38-1024x803.png)
Vintage Optoは、光学式コンプレッサーに分類されるものです。
光学式コンプレッサーとは、最も原始的な設計を採用しているといわれています。
実際にこのコンプレッサーのモデルである、teletronix LA-2Aには、アタックとリリースは搭載されていません。
しかし、なぜかLogic Pro Xのモデルには、これらが搭載されています。その理由は不明です。
このモデルの特徴は、圧縮のかかりが非常に遅い点にあります。
そのため、ボーカルやアコギなどのトラックにかけると、ナチュラルな効果を得ることができます。
僕はこのようなトラックには、Vintage Optoを必ずと言っていいほど使用しています。
歌声の特徴をしっかりと残しながら、ナチュラルにオケに馴染ませることができるからです。
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まとめ
Logic Pro Xのコンプレッサーには、多くの機能や7種類ものモデルが搭載されています。
初めてのうちは、使い方に困惑するかと思います。しかし、慣れてしまえば、これほど使い勝手のいいものはありません。
僕は、Logic Pro Xを使い始めた頃は、あまりのパラメータの多さに
「なんじゃこのクセの強いコンプは!?」
と困惑しておりました(笑)
しかし、しっかり調べて使ってみると、これほどまでに使いやすいものはないと実感しました。
シーンに合わせて使い分けていけば、あなたの楽曲を素敵に彩ってくれますよ!
頑張ってくださいね!
また、僕のサイトではDTMでミックスや作曲をするための方法を、無料で公開しています。
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では、この記事は以上になります!
あなたのお役に立てたら幸いです!